タール系色素のArtemia salinaおよびその粗抽出液の酵素活性を用いた毒性試験

A. salinaを指標として, タール系色素9種および使用禁止のもの4種の毒性を, 致死率および粗抽出液の酵素活性阻害という観点から検討した. 1) 分子構造中にハロゲン原子を含有するキサンテン系色素が他の系のものより強い毒性を示した. 2) その中で, 塩素を含有するフロキシン, ローズベンガルの毒性は特に強かった. 3) A. salinaの粗酵素抽出液のLAP活性に対するこれらの色素による阻害率と, 色素溶液中のA. salinaの致死率との関連性はなかったが, LDH活性の場合は相関性が認められた. 4) A. salinaのLAPとローズベンガル, フロキシンによって顕著な阻害を受...

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 20; no. 4; pp. 233 - 238
Main Authors 酒向, 史代, 小林, 則子, 谷口, 直之
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 05.08.1979
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Summary:A. salinaを指標として, タール系色素9種および使用禁止のもの4種の毒性を, 致死率および粗抽出液の酵素活性阻害という観点から検討した. 1) 分子構造中にハロゲン原子を含有するキサンテン系色素が他の系のものより強い毒性を示した. 2) その中で, 塩素を含有するフロキシン, ローズベンガルの毒性は特に強かった. 3) A. salinaの粗酵素抽出液のLAP活性に対するこれらの色素による阻害率と, 色素溶液中のA. salinaの致死率との関連性はなかったが, LDH活性の場合は相関性が認められた. 4) A. salinaのLAPとローズベンガル, フロキシンによって顕著な阻害を受けたP. caudatumのLAPの動力学的性質を比較検討したところ, 熱安定性に顕著な差が認められたが, 色素による阻害作用との間には何ら関連性は認められなかった. 5) A. salinaのLDH活性はin vivoにおいてもローズベンガルによる著しい阻害が認められた.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.20.233