A case of right ventricular myxoma detected by heart desease screening for school children

原発性心臓腫瘍は,非常にまれな疾患である.最近われわれは,学童心臓病検診がきっかけとなって無症状のうちに右室内心臓腫瘍が発見され,外科的に摘除しえた症例を経験したのでここに報告する.本症例は14歳になる生来健康な女子で,中学3年生の時の学校検診で心雑音を指摘され,当科を受診した.超音波心断層法にて右室内心臓腫瘍が疑われ,さらに心臓カテーテル検査を行ったところ,右室流出路に小鶏卵大の腫瘍を認め右室圧が上昇していた.自覚症状はまったくなかったが,放置すれば突然死の危険もあるため,外科的に摘除した.組織学的には粘液腫であった.術後の経過は順調である.原発性心臓腫瘍の中では粘液腫は比較的多くみられるが...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShinzo Vol. 18; no. 12; pp. 1473 - 1477
Main Authors Tatara, Katsunori, Itoh, Keiko, Tahara, Keiko, Ri, Keiei, Kusakawa, Sanji, Ikawa, Akemi, Takemura, Naoko, Fujimaki, Wakae, Kiguchi, Hiroyuki, Torii, Sinzoh
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Heart Foundation 15.12.1986
Subjects
右心室粘液腫
学童心臓病検診
心筋シンチグラフィー
血液プールシンチグラフィー
超音波心断層法
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.18.12_1473

Cover

More Information
Summary:原発性心臓腫瘍は,非常にまれな疾患である.最近われわれは,学童心臓病検診がきっかけとなって無症状のうちに右室内心臓腫瘍が発見され,外科的に摘除しえた症例を経験したのでここに報告する.本症例は14歳になる生来健康な女子で,中学3年生の時の学校検診で心雑音を指摘され,当科を受診した.超音波心断層法にて右室内心臓腫瘍が疑われ,さらに心臓カテーテル検査を行ったところ,右室流出路に小鶏卵大の腫瘍を認め右室圧が上昇していた.自覚症状はまったくなかったが,放置すれば突然死の危険もあるため,外科的に摘除した.組織学的には粘液腫であった.術後の経過は順調である.原発性心臓腫瘍の中では粘液腫は比較的多くみられるが,右室に発生するものはまれである.過去の報告と本症例をまとめ,検討した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.18.12_1473