局所酸分解/誘導結合プラズマ質量分析法による半導体用シリコンウェハー中の超微量金属元素の面内分布

半導体用Siウェハーの面内に偏析する超微量金属元素 (Mg, Al, Cr, Fe, Ni, Cu) を定量するために, 湿式酸分解法とマイクロフローネブライザーMFN-ICP-MSを組み合わせ, 最適条件を検討した. 特定領域 (3~7cm2) をエッチング可能なPTFE製局所分解冶具を試作し, 硝酸-フッ化水素酸によるエッチングを試み, 1ml以下の少量溶液でエッチング深さを制御できることが分かった. 本法を半導体デバイスの電気的特性評価法であるTZDB特性により, 実際に耐圧劣化した部分 (C- mode) と良好部分 (C+ mode) を選択し, 適用した結果, 耐圧劣化部に局所的に...

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Published in分析化学 Vol. 50; no. 6; pp. 399 - 404
Main Authors 山田, 裕司, 小塚, 祥二, 矢吹, 元央, 竹中, みゆき, 中村, 新一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.06.2001
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.50.399

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Summary:半導体用Siウェハーの面内に偏析する超微量金属元素 (Mg, Al, Cr, Fe, Ni, Cu) を定量するために, 湿式酸分解法とマイクロフローネブライザーMFN-ICP-MSを組み合わせ, 最適条件を検討した. 特定領域 (3~7cm2) をエッチング可能なPTFE製局所分解冶具を試作し, 硝酸-フッ化水素酸によるエッチングを試み, 1ml以下の少量溶液でエッチング深さを制御できることが分かった. 本法を半導体デバイスの電気的特性評価法であるTZDB特性により, 実際に耐圧劣化した部分 (C- mode) と良好部分 (C+ mode) を選択し, 適用した結果, 耐圧劣化部に局所的にCuが1.2~3.9×1011 atoms/cm2レベルで濃縮していることを明らかとした. 更に, 透過型電子顕微鏡 (TEM) で試料の断面構造を観察し, ポリ電極/シリコン酸化膜上部4nm近傍にCuが存在していることを確認した. 本方法での検出限界 (標準偏差の3σ) は溶液0.3mlにおいて, 4×109~5×1010 atoms/cm2であった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.50.399