Experimental production of coronary dilated lesions by destruction of the arterial walls in mongrel dogs

川崎病の後遺症である冠動脈拡大性病変によって引き起こされる,血流動態などの機械的要因の変化や,これが冠動脈障害の予後に及ぼす影響を明らかにし,さらに狭窄性病変への進展予防のための治療法を研究する上での一助とするため,雑種成犬を用いて,直接侵襲による冠動脈拡大性病変の作製を試みた.雑種成犬11頭,冠動脈15枝の冠動脈壁内にフィシンを注入した.フィシンを注入した11頭中10頭,冠動脈15枝中11枝に拡大性病変の形成を認めた.対照として,リン酸クエン酸緩衝液を注入した5頭,5枝では拡大性病変の形成を認めなかった.本モデルは,上記のごとき川崎病による冠動脈拡大性病変の研究を進める上で有用であると考えた...

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Published inShinzo Vol. 17; no. 8; pp. 813 - 820
Main Authors Tomita, Hideshi, Echigo, Shigeyuki, Kamiya, Tetsuro, Nakajima, Toru, Yamada, Osamu, Yutani, Chikao
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Heart Foundation 15.08.1985
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Summary:川崎病の後遺症である冠動脈拡大性病変によって引き起こされる,血流動態などの機械的要因の変化や,これが冠動脈障害の予後に及ぼす影響を明らかにし,さらに狭窄性病変への進展予防のための治療法を研究する上での一助とするため,雑種成犬を用いて,直接侵襲による冠動脈拡大性病変の作製を試みた.雑種成犬11頭,冠動脈15枝の冠動脈壁内にフィシンを注入した.フィシンを注入した11頭中10頭,冠動脈15枝中11枝に拡大性病変の形成を認めた.対照として,リン酸クエン酸緩衝液を注入した5頭,5枝では拡大性病変の形成を認めなかった.本モデルは,上記のごとき川崎病による冠動脈拡大性病変の研究を進める上で有用であると考えた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.17.8_813