結核菌薬剤感受性試験に関する小川培地を用いた比率法と微量液体希釈法, Broth MIC MTBの判定互換性

日本結核病学会が提案する結核菌薬剤感受性試験, 小川培地での比率法を, 微量液体希釈法を原理とするBrothMIC MTB-1 (極東製薬工業, 東京) と比較評価した. 評価ではstreptomycin, ethambutol, kanamycin, isoniazid, dfampicinを試験対象にした. これらの薬剤に対し, 3株の標準株を反復試験して再現性を評価したが, いずれの試験方法も高い再現性を示した. BrothMIC MTB法で測定された最小発育阻止濃度 (MIC) は, すべて±1管, 31092に分布したが, 計11件のMICが判定保留の判定となった. 他方, 小川培地...

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Published in結核 Vol. 77; no. 2; pp. 61 - 66
Main Authors 比嘉, 美也子, 斉藤, 宏, 宮城, 知佳, 仲宗, 根勇, 山根, 誠久
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本結核病学会 15.02.2002
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ISSN0022-9776
1884-2410
DOI10.11400/kekkaku1923.77.61

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Summary:日本結核病学会が提案する結核菌薬剤感受性試験, 小川培地での比率法を, 微量液体希釈法を原理とするBrothMIC MTB-1 (極東製薬工業, 東京) と比較評価した. 評価ではstreptomycin, ethambutol, kanamycin, isoniazid, dfampicinを試験対象にした. これらの薬剤に対し, 3株の標準株を反復試験して再現性を評価したが, いずれの試験方法も高い再現性を示した. BrothMIC MTB法で測定された最小発育阻止濃度 (MIC) は, すべて±1管, 31092に分布したが, 計11件のMICが判定保留の判定となった. 他方, 小川培地での比率法ではすべての試験結果が期待される判定となった. しかし48件の試験のうち, 3件が菌発育対照培地での不十分な菌発育から, 判定不能となった. 127株の臨床材料由来の結核菌が試験され, 判定一致率は89~90%に評価された. BrothMIC MTB法で7.1~9.4%が判定保留に, まったく乖離した判定は0.8-3.1%に観察された. 結論として, これら2つの試験方法には高い再現性と互換性が示された. それぞれの試験方法のもつ長所と短所を考察した.
ISSN:0022-9776
1884-2410
DOI:10.11400/kekkaku1923.77.61