生体高分子と合成高分子はどこが違うか 生成の見地より

合成化学と高分子合成化学研究の進歩は,合成高分子に加えて,天然高分子と一見区別のつかないものから,それに近い構造のものまで,一部ではあるがわれわれに提供し始めるようになった。合成高分子である生体高分子ができようとしているのである。こうなると,区別は生成においてつけることにならざるをえない。しかしよほどうまく化学合成された生体高分子でも,分子量分布,構造における定序性という点で両者の間に区別がつけられるのが現状である。生体高分子の特徴は定序性と分子量分布にあるといっても過言ではない。定序性のある高分子が生合成ではどのような化学過程を経るか,一方において,現在われわれがもっている化学合成におけるそ...

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Published in高分子 Vol. 22; no. 7; pp. 366 - 370
Main Author 清水, 剛夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 01.07.1973
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Summary:合成化学と高分子合成化学研究の進歩は,合成高分子に加えて,天然高分子と一見区別のつかないものから,それに近い構造のものまで,一部ではあるがわれわれに提供し始めるようになった。合成高分子である生体高分子ができようとしているのである。こうなると,区別は生成においてつけることにならざるをえない。しかしよほどうまく化学合成された生体高分子でも,分子量分布,構造における定序性という点で両者の間に区別がつけられるのが現状である。生体高分子の特徴は定序性と分子量分布にあるといっても過言ではない。定序性のある高分子が生合成ではどのような化学過程を経るか,一方において,現在われわれがもっている化学合成におけるその過程はどうか,などについて定序性付与との関連において考える。
ISSN:0454-1138
2185-9825
DOI:10.1295/kobunshi.22.366