月経前症候群 (PMS) に対する桂枝茯苓丸エキス剤の効果 慈大式PMSスコアの開発とその応用

月経前症候群 (PMS) は月経前, 3~10日の間続く精神的あるいは身体症状で, 月経開始とともに減退ないし消失するものと定義されている。原因としては, エストロゲン・プロゲステロン失調説, βエンドルフィン上昇説, ビタミンB6欠乏説, 低血糖説, 自己免疫説などが提唱されているが, いまだ定説はない。したがって治療も多岐にわたって試みられており, 治療効果を客観的にとらえる必要がある。 そこで我々は臨床症状を精神, 神経, 乳房, 水分貯留, 胃腸, 皮膚などの各症状に大別しそれぞれに0-20点を与え総計100点となるPMSスコアを作成した。治療前後で比較し, 治療前値の30%以下になっ...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 45; no. 2; pp. 365 - 369
Main Authors 落合, 和徳, 松本, 和紀, 寺島, 芳輝
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 20.10.1994
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Summary:月経前症候群 (PMS) は月経前, 3~10日の間続く精神的あるいは身体症状で, 月経開始とともに減退ないし消失するものと定義されている。原因としては, エストロゲン・プロゲステロン失調説, βエンドルフィン上昇説, ビタミンB6欠乏説, 低血糖説, 自己免疫説などが提唱されているが, いまだ定説はない。したがって治療も多岐にわたって試みられており, 治療効果を客観的にとらえる必要がある。 そこで我々は臨床症状を精神, 神経, 乳房, 水分貯留, 胃腸, 皮膚などの各症状に大別しそれぞれに0-20点を与え総計100点となるPMSスコアを作成した。治療前後で比較し, 治療前値の30%以下になったものを著効, 31~60%を有効とし桂枝茯苓丸エキス剤 (TJ-25) の効果を検討した。 実証のPMS患者4名に投与したところ2名が著効, 2名が肩効であり副作用もなく, TJ-25の有効性が示された。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.45.365