家兎における実験的副鼻腔炎 (その2) 慢性化に関する嫌気性菌の役割の検討

副鼻腔炎の慢性化における嫌気性菌の関与を検討するために, 成熟白色家兎の上顎洞に, 卵白アルブミンでアレルギー感作をした後, 好気性菌 (Stmphylococcus. aureus) と嫌気性菌 (Prevotella. bzaccae) を注入し, 2週間後, 4週間後の所見を観察し以下の結果を得た。 1. Stmphylococcus. azareuを注入した家兎, Prevolella. buccaeを注入した家兎ともに菌注入後2週間, 4週間で副鼻腔の炎症は増強した。 2. 菌注入後2週間では, Slmphylococcus. aureusを注入した家兎の粘膜の方が, Prevote...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 42; no. 2; pp. 152 - 158
Main Authors 伊藤, 八次, 新井, 信一郎, 宮田, 英雄, 加藤, 洋治, 秋田, 茂樹, 中山, 雅文, 水田, 啓介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.04.1999
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.42.152

Cover

More Information
Summary:副鼻腔炎の慢性化における嫌気性菌の関与を検討するために, 成熟白色家兎の上顎洞に, 卵白アルブミンでアレルギー感作をした後, 好気性菌 (Stmphylococcus. aureus) と嫌気性菌 (Prevotella. bzaccae) を注入し, 2週間後, 4週間後の所見を観察し以下の結果を得た。 1. Stmphylococcus. azareuを注入した家兎, Prevolella. buccaeを注入した家兎ともに菌注入後2週間, 4週間で副鼻腔の炎症は増強した。 2. 菌注入後2週間では, Slmphylococcus. aureusを注入した家兎の粘膜の方が, Prevotella. buccaeを注入した家兎の粘膜よりも強い炎症所見を示した。菌注入後4週間では, 両者とも同じ程度の炎症所見であった。この成績は, 副鼻腔炎の慢性化の一因として嫌気性菌の関与が示唆された。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.42.152