高IgM血症を伴う免疫不全症に合併した膜性増殖性糸球体腎炎の1例
高IgM血症を伴う免疫不全症に膜性増殖性糸球体腎炎を合併した1症例を報告する.症例は41才,女性で,ネフローゼ症候群の精査目的にて昭和58年7月5日当科に入院.既往歴として幼少時より重篤な感染症あり.入院時,血清IgG 30mg/dl, IgA 10mg/dlと著減,一方IgMは2052mg/dlと著増していた.免疫電気泳動でpolyclonalな高IgM血症,骨髓像で形質細胞増加がみられない,末梢リンパ球のIgG, IgA産生能低下,細胞性免疫能は正常である事より,高IgM血症を伴う免疫不全症と診断した.さらに,腎生検にて膜性増殖性糸球体腎炎type Iの診断をえた.本症例の腎障害の発症には...
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 74; no. 12; pp. 1726 - 1731 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.12.1985
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.74.1726 |
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Summary: | 高IgM血症を伴う免疫不全症に膜性増殖性糸球体腎炎を合併した1症例を報告する.症例は41才,女性で,ネフローゼ症候群の精査目的にて昭和58年7月5日当科に入院.既往歴として幼少時より重篤な感染症あり.入院時,血清IgG 30mg/dl, IgA 10mg/dlと著減,一方IgMは2052mg/dlと著増していた.免疫電気泳動でpolyclonalな高IgM血症,骨髓像で形質細胞増加がみられない,末梢リンパ球のIgG, IgA産生能低下,細胞性免疫能は正常である事より,高IgM血症を伴う免疫不全症と診断した.さらに,腎生検にて膜性増殖性糸球体腎炎type Iの診断をえた.本症例の腎障害の発症には,血中IgM型immune complex高値である事より, IgM抗体によねimmune complex腎炎が推測された. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.74.1726 |