外耳道真菌症に対するラノコナゾール (アスタット®) 軟膏外用療法の治療効果

外耳道真菌症14例 (0歳から72歳, 平均41.0歳) に対してラノコナゾール (アスタット®) 軟膏外用療法を行いその有効性を検討した。治療としては外耳道内の清掃後, ラノコナゾール軟膏を綿棒にて鼓膜から外耳道深部を中心に週に1~2回程度塗布し, 視診上真菌が消失するまでの期間を観察した。ほとんどの例は2~4回までの処置で真菌は消失し, そのうち6例は1回の処置のみで真菌が消失し再発例は1例も認めなかった。ラノコナゾールはAspergillusやCandidaに対して高い抗真菌活性を示す。また基剤である油脂性軟膏は皮面保護作用を有し, 粘性が高いために長時間にわたり薬剤が局所に留まるという...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 41; no. 4; pp. 430 - 434
Main Author 大野, 芳裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.08.1998
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.41.430

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Summary:外耳道真菌症14例 (0歳から72歳, 平均41.0歳) に対してラノコナゾール (アスタット®) 軟膏外用療法を行いその有効性を検討した。治療としては外耳道内の清掃後, ラノコナゾール軟膏を綿棒にて鼓膜から外耳道深部を中心に週に1~2回程度塗布し, 視診上真菌が消失するまでの期間を観察した。ほとんどの例は2~4回までの処置で真菌は消失し, そのうち6例は1回の処置のみで真菌が消失し再発例は1例も認めなかった。ラノコナゾールはAspergillusやCandidaに対して高い抗真菌活性を示す。また基剤である油脂性軟膏は皮面保護作用を有し, 粘性が高いために長時間にわたり薬剤が局所に留まるという効果がある。これらの点で優れた治療効果を発揮したものと考えられ, 湿潤・びらんを示す例を含めた外耳道真菌症の治療に有用であると思われた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.41.430