消化器手術後難治性瘻孔に対するフィブリン糊による治療経験

1998年4月より2002年5月までの間に当院において消化器手術後難治性瘻孔に対するフィブリン糊による瘻孔閉鎖術を17例に経験した.瘻孔の発生原因は,縫合不全16例,胃潰瘍穿孔1例であった.最低14日間の保存的治療後も閉鎖しない瘻孔に対して瘻孔造影後,市販のフィブリン糊製剤を使用して閉鎖術を実施した.瘻孔閉鎖率は,一回の閉鎖術後で17例中12例, 71%であり,この比率は二回実施することにより17例中16例, 94%にあがった.瘻孔閉鎖術前因子と結果との関係に関しては,瘻孔長10cmを超える瘻孔が10cm未満の瘻孔と比べて一回の閉鎖術で有意に閉鎖しやすかった.また,一日排液量が100mlを超え...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 12; pp. 2869 - 2874
Main Authors 吉見, 富洋, 池田, 真美, 田中, 敏明, 鈴木, 章史, 秀村, 晃生, 朝戸, 裕二, 岡, 大嗣
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.12.2002
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.63.2869

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Summary:1998年4月より2002年5月までの間に当院において消化器手術後難治性瘻孔に対するフィブリン糊による瘻孔閉鎖術を17例に経験した.瘻孔の発生原因は,縫合不全16例,胃潰瘍穿孔1例であった.最低14日間の保存的治療後も閉鎖しない瘻孔に対して瘻孔造影後,市販のフィブリン糊製剤を使用して閉鎖術を実施した.瘻孔閉鎖率は,一回の閉鎖術後で17例中12例, 71%であり,この比率は二回実施することにより17例中16例, 94%にあがった.瘻孔閉鎖術前因子と結果との関係に関しては,瘻孔長10cmを超える瘻孔が10cm未満の瘻孔と比べて一回の閉鎖術で有意に閉鎖しやすかった.また,一日排液量が100mlを超える瘻孔を閉鎖することが可能であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.63.2869