広汎な肝転移を認めた直腸カルチノイドの2例

広汎な肝転移を認めた直腸カルチノイドの2症例を経験したので報告した.2症例ともにその大きさが約10mmと小さくさらに原発巣の浸潤が粘膜下層に限局していたにもかかわらず,診断時にすでに広汎な肝転移を有していたことは極めて稀なことであり,さらにその肝転移巣の画像診断においても,US, CTでは境界鮮明な類円形のcystic patternを,血管造影では肝動脈の圧排と細血管の増生を認め,比較的特異な画像診断所見を示していた.さらに2症例とも肝転移巣の腫瘍の増大は極めて緩徐でありこの点からも従来からの報告と異なっており興味ある症例と考えられた....

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Published in肝臓 Vol. 32; no. 11; pp. 1040 - 1045
Main Authors 曽我, 憲二, 鶴谷, 孝, 相川, 啓子, 豊島, 宗厚, 柴崎, 浩一, 小島, 豊雄, 大貫, 啓三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.11.1991
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Summary:広汎な肝転移を認めた直腸カルチノイドの2症例を経験したので報告した.2症例ともにその大きさが約10mmと小さくさらに原発巣の浸潤が粘膜下層に限局していたにもかかわらず,診断時にすでに広汎な肝転移を有していたことは極めて稀なことであり,さらにその肝転移巣の画像診断においても,US, CTでは境界鮮明な類円形のcystic patternを,血管造影では肝動脈の圧排と細血管の増生を認め,比較的特異な画像診断所見を示していた.さらに2症例とも肝転移巣の腫瘍の増大は極めて緩徐でありこの点からも従来からの報告と異なっており興味ある症例と考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.32.1040