ブロック共重合体のつくる共連続周期パターン 界面に着目した構造解析

(2成分) ブロック共重合体において, その分子内組成が34~38%程度であるときに出現すると報告されている規則的共連続ミクロドメイン構造に注目する. 規則的共連続構造は, 周期的極小曲面を基礎として議論されることが多く, また, 観察手法として透過型電子顕微鏡がよく用いられる. しかし, 構造の複雑さのために, 得られた顕微鏡像が多数ある周期的極小曲面のどれに帰属するかを判断することは困難を極める. 筆者らは, いくつかの異なる周期的極小曲面に基づく共連続構造のモデルについて, その界面曲率 (分布) を測定した. その結果, 界面曲率は各モデルに特徴的な分布形状を示すことがわかった. この...

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Published in高分子論文集 Vol. 56; no. 12; pp. 837 - 844
Main Authors 西川, 幸宏, 陣内, 浩司, 長谷川, 博一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.12.1999
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.56.837

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Summary:(2成分) ブロック共重合体において, その分子内組成が34~38%程度であるときに出現すると報告されている規則的共連続ミクロドメイン構造に注目する. 規則的共連続構造は, 周期的極小曲面を基礎として議論されることが多く, また, 観察手法として透過型電子顕微鏡がよく用いられる. しかし, 構造の複雑さのために, 得られた顕微鏡像が多数ある周期的極小曲面のどれに帰属するかを判断することは困難を極める. 筆者らは, いくつかの異なる周期的極小曲面に基づく共連続構造のモデルについて, その界面曲率 (分布) を測定した. その結果, 界面曲率は各モデルに特徴的な分布形状を示すことがわかった. このことは, 実験によりブロック共重合体の規則的共連続構造の界面曲率分布を求めることができれば, もととなる周期的極小曲面の同定が可能であることを示唆している.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.56.837