酒石酸咳閾値と性差, 喫煙およびアトピー素因
アンギオテンシン変換酵素阻害剤による乾性咳嗽は, 男性よりも女性に多いことが報告されている. 本研究では, 気道の咳受容体は, 男性よりも女性で感受性が高いか否かを検討した. 男性33名, 女性29名を対象とし, 酒石酸吸入による咳閾値を測定した. 非アトピー非喫煙者における咳閾値は, 女性で幾何平均10.0 (幾何標準誤差, GSEM 1.29)%, 男性で22.5 (GSEM 1.30)%であり女性の方が有意 (p<0.02) に低値だった. 非アトピー男性において, 喫煙者の咳閾値は9.3 (GSEM 1.57)%であり非喫煙者より有意 (p<0.05) に低値を示した. 非...
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 28; no. 11; pp. 1478 - 1481 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.11.1990
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.28.1478 |
Cover
Summary: | アンギオテンシン変換酵素阻害剤による乾性咳嗽は, 男性よりも女性に多いことが報告されている. 本研究では, 気道の咳受容体は, 男性よりも女性で感受性が高いか否かを検討した. 男性33名, 女性29名を対象とし, 酒石酸吸入による咳閾値を測定した. 非アトピー非喫煙者における咳閾値は, 女性で幾何平均10.0 (幾何標準誤差, GSEM 1.29)%, 男性で22.5 (GSEM 1.30)%であり女性の方が有意 (p<0.02) に低値だった. 非アトピー男性において, 喫煙者の咳閾値は9.3 (GSEM 1.57)%であり非喫煙者より有意 (p<0.05) に低値を示した. 非喫煙女性においては, アトピーでの咳閾値は4.2 (GSEM 1.33)%であり非アトピーより有意 (p<0.02) に低値であった. これらの結果, 気道の咳受容体は, 女性において感受性が高く, また, 男性では喫煙者の方が, 女性ではアトピー素因を有するものの方が咳感受性が高いことが示された. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.28.1478 |