重症喘息発作の臨床経過に関する検討

1984年から1989年までの6年間に気管支喘息の重症発作のため当院救命救急センターに搬入された39名の患者について研究を行った. 39名の喘息患者中16名が死亡していた. 患者の多くは自宅で突然喘息発作を起こし, その後当センターに搬入された. 当院救命救急センターに搬入時の動脈血ガス分析ではPaO2は非生存群でも252.6±57.6 (mean±SE) Torr と高値を示しており, 生存群の221.0±29.7 Torr に比して有意差はなかった. これは全例において救急隊により当院搬入前に酸素投与が行われていたためと思われる. 非生存群では収縮期血圧が14.8±10.4 (mean±S...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 30; no. 10; pp. 1801 - 1806
Main Authors 小川, 裕, 沢本, 修一, 野本, 日出男, 多治見, 公高, 真野, 健次, 小林, 国男, 葛西, 猛, 浦田, 誓夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.10.1992
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.30.1801

Cover

More Information
Summary:1984年から1989年までの6年間に気管支喘息の重症発作のため当院救命救急センターに搬入された39名の患者について研究を行った. 39名の喘息患者中16名が死亡していた. 患者の多くは自宅で突然喘息発作を起こし, その後当センターに搬入された. 当院救命救急センターに搬入時の動脈血ガス分析ではPaO2は非生存群でも252.6±57.6 (mean±SE) Torr と高値を示しており, 生存群の221.0±29.7 Torr に比して有意差はなかった. これは全例において救急隊により当院搬入前に酸素投与が行われていたためと思われる. 非生存群では収縮期血圧が14.8±10.4 (mean±SE) mmHgと著明な循環障害を示していた. また多くの患者において高度の意識障害を認めたが, 血圧が維持されていれば, 多くの場合は後遺症を残さずに回復した.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.30.1801