骨髄線維症に合併し治療に難渋した Mycobacterium kansasii 肺感染症の1例
32歳, 女性. 骨髄線維症に合併し治療に難渋した Mycobacterium kansasii 肺感染症の1例. 発熱のため入院し, 胸部X線上びまん性浸潤影と右肺門部腫大が認められた. 喀痰培養により M. kansasii が3回 (最高100集落) 検出された. 38℃台の発熱はリファンピシンを含む抗結核薬の多剤併用療法にもかかわらず約4ヵ月間遷延した. 治療の経過中肺門及び縦隔リンパ節の腫大が著明となりその後それらのリンパ節が石灰化した. 発熱及び胸部X線写真の所見はエタンブトール, エチオナマイド, オフロキサシンの追加およびイソニアジド, リファンピシンの増量 (それぞれ300か...
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 32; no. 12; pp. 1170 - 1174 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.12.1994
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.32.1170 |
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Summary: | 32歳, 女性. 骨髄線維症に合併し治療に難渋した Mycobacterium kansasii 肺感染症の1例. 発熱のため入院し, 胸部X線上びまん性浸潤影と右肺門部腫大が認められた. 喀痰培養により M. kansasii が3回 (最高100集落) 検出された. 38℃台の発熱はリファンピシンを含む抗結核薬の多剤併用療法にもかかわらず約4ヵ月間遷延した. 治療の経過中肺門及び縦隔リンパ節の腫大が著明となりその後それらのリンパ節が石灰化した. 発熱及び胸部X線写真の所見はエタンブトール, エチオナマイド, オフロキサシンの追加およびイソニアジド, リファンピシンの増量 (それぞれ300から500mg/日, 450から600mg/日) により改善に向かった. 1年2ヵ月の入院治療を要した. 骨髄線維症に関連し何らかの免疫異常が存在したために, M. kansasii 肺感染症が難治遷延化した可能性があると考えた. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.32.1170 |