奔豚気病に関する一考察 (III) 奔豚誘発試験法による病型分類
正常人4例, 奔豚気 (類似) 症例22例について奔豚誘発試験を実施した。本試験法は正常人においては血中エピネフリン (Epi), ノルエピネフリン (NE) は正常域値内で推移した。22症例のEpiとNEの挙動と有効薬方から, 本症は正常反応型, 奔豚I型, II型, III型とその他に分類された。 奔豚I型はNE単独反応型であり, 自律神経反射系が主として関与する病態であると考えられた。III型はI型の亜型, II型はNEとEpiが共に反応性に増加し, 副腎髄質の関与が示された。 自覚症状でもI型とIII型には相違があり, I型では発作性の要素が強く, III型は緊張持続型を示唆するもので...
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Published in | 日本東洋医学雑誌 Vol. 38; no. 1; pp. 17 - 23 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
一般社団法人 日本東洋医学会
20.07.1987
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Summary: | 正常人4例, 奔豚気 (類似) 症例22例について奔豚誘発試験を実施した。本試験法は正常人においては血中エピネフリン (Epi), ノルエピネフリン (NE) は正常域値内で推移した。22症例のEpiとNEの挙動と有効薬方から, 本症は正常反応型, 奔豚I型, II型, III型とその他に分類された。 奔豚I型はNE単独反応型であり, 自律神経反射系が主として関与する病態であると考えられた。III型はI型の亜型, II型はNEとEpiが共に反応性に増加し, 副腎髄質の関与が示された。 自覚症状でもI型とIII型には相違があり, I型では発作性の要素が強く, III型は緊張持続型を示唆するものであった。 本試験法は本症の発作間歓期においてこれを確診する有力な1つの方法であり, 治療効果の判定にも有用であることを論じた。 |
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ISSN: | 0287-4857 1882-756X |
DOI: | 10.3937/kampomed.38.17 |