妊娠中にクモ膜下出血で発症した脳動静脈奇形および脳動脈瘤の2手術例 本邦報告例の集計と考察
妊娠中の頭蓋内出血は文献的に比較的稀であり, とりわけ破裂脳動脈瘤や脳動静脈奇形に起因するクモ膜下出血の本邦での報告例はいまだ少数である.最近, 妊娠前期に脳内・硬膜下出血を伴った脳動静脈奇形と, 妊娠後期にクモ膜下出血で発症した脳動脈瘤の2手術例を経験したので, 本邦での報告例 (脳動脈瘤22例, 脳動静脈奇形12例) を集計して文献的考察を行い報告する.症例1 : 妊娠13週で発症した27歳の初産婦で, anterior temporal arteryを流入動脈とする脳動静脈奇形と診断され, 開頭術を行って脳内・硬膜下血腫を除去し, 併せて脳動静脈奇形を全摘出した.症例2 : 妊娠39週で...
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Published in | 脳卒中 Vol. 11; no. 4; pp. 358 - 365 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
25.08.1989
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.11.358 |
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Summary: | 妊娠中の頭蓋内出血は文献的に比較的稀であり, とりわけ破裂脳動脈瘤や脳動静脈奇形に起因するクモ膜下出血の本邦での報告例はいまだ少数である.最近, 妊娠前期に脳内・硬膜下出血を伴った脳動静脈奇形と, 妊娠後期にクモ膜下出血で発症した脳動脈瘤の2手術例を経験したので, 本邦での報告例 (脳動脈瘤22例, 脳動静脈奇形12例) を集計して文献的考察を行い報告する.症例1 : 妊娠13週で発症した27歳の初産婦で, anterior temporal arteryを流入動脈とする脳動静脈奇形と診断され, 開頭術を行って脳内・硬膜下血腫を除去し, 併せて脳動静脈奇形を全摘出した.症例2 : 妊娠39週で発症した28歳の経産婦で, 発症24時間以内の早期に全身麻酔下に帝王切開術を行って女児を得たのち, 内頚動脈瘤根治術を行った. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.11.358 |