穿孔性腹膜炎を呈した腸管ベーチェット病の3手術例 特にステロイド使用, 腸瘻造設の有用性について

穿孔性腹膜炎を呈した腸管ベーチェット病の3手術例を経験した. いずれも1期的吻合を行ったが, 術後, 穿孔, 縫合不全を認めた. なお, 縫合不全を回避するために2例では腸瘻を造設し, 3例いずれも炎症改善目的に周術期にステロイドを使用した. 術後急性期は, 残存腸管の炎症再燃をきたしやすく, 合併症が多発する. その対策として, ステロイドにより病勢を低下させるとともに, 1期的吻合を回避した腸瘻造設が, 安全な術式として推賞される....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 35; no. 12; pp. 1817 - 1820
Main Authors 鈴木, 温, 関下, 芳明, 加藤, 紘之, 藤森, 勝, 塩野, 恒夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.12.2002
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.35.1817

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Summary:穿孔性腹膜炎を呈した腸管ベーチェット病の3手術例を経験した. いずれも1期的吻合を行ったが, 術後, 穿孔, 縫合不全を認めた. なお, 縫合不全を回避するために2例では腸瘻を造設し, 3例いずれも炎症改善目的に周術期にステロイドを使用した. 術後急性期は, 残存腸管の炎症再燃をきたしやすく, 合併症が多発する. その対策として, ステロイドにより病勢を低下させるとともに, 1期的吻合を回避した腸瘻造設が, 安全な術式として推賞される.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.35.1817