喉頭癌症例における喉頭全摘術後の瘻孔形成
1985年1月から1995年12月までの11年間に横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室で治療した喉頭癌症例の中, 喉頭全摘術を施行したのは83例である。このうち咽頭皮膚瘻を生じたのは3例 (3.6%) であった。瘻孔例は全例術前に放射線治療が行われている症例であり, 照射量は40から70Gyで照射開始から手術までの期間は1年以内であった。また瘻孔例には頸部郭清術を施行した症例は含まれていなかった。検査値に大きな異常を認めなかった。瘻孔を生じた例の中に術後のドレナージが不十分であったことが原因と思われる症例があり, 創部のドレナージと圧迫固定が大切であると考えられた。また80歳以上の高齢者や消毒剤...
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Published in | 耳鼻咽喉科展望 Vol. 40; no. 1; pp. 71 - 77 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻咽喉科展望会
15.02.1997
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ISSN | 0386-9687 1883-6429 |
DOI | 10.11453/orltokyo1958.40.71 |
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Summary: | 1985年1月から1995年12月までの11年間に横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室で治療した喉頭癌症例の中, 喉頭全摘術を施行したのは83例である。このうち咽頭皮膚瘻を生じたのは3例 (3.6%) であった。瘻孔例は全例術前に放射線治療が行われている症例であり, 照射量は40から70Gyで照射開始から手術までの期間は1年以内であった。また瘻孔例には頸部郭清術を施行した症例は含まれていなかった。検査値に大きな異常を認めなかった。瘻孔を生じた例の中に術後のドレナージが不十分であったことが原因と思われる症例があり, 創部のドレナージと圧迫固定が大切であると考えられた。また80歳以上の高齢者や消毒剤のアレルギーなどにも注意が必要と思われた。 |
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ISSN: | 0386-9687 1883-6429 |
DOI: | 10.11453/orltokyo1958.40.71 |