DSAが出血源同定に有用であったくも膜下出血の2例 後頭蓋窩病変の描出におけるDSAの有用性について

くも膜下出血の原因として,脳動脈瘤,脳動静脈奇形,脳動脈硬化性疾患などがあげられるが,初回脳血管撮影で出血源が同定されないことがある.その際は繰り返し血管撮影を行う事で,出血源が明らかになる場合もあるが,結局原因不明に終わる場合も少なくない. 今回我々は,一旦は出血源不明のくも膜下出血と診断されたものの,長期経過観察中に再び出血し,DSAによって出血源が同定された2症例を経験した.DSAは加算処理により従来の血管撮影に比して血管病変が強調されるという特徴を有す.本稿ではくも膜下出血の原因検索,特に後頭蓋窩病変の検出におけるDSAの有用性に関して報告する....

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Published in脳卒中 Vol. 20; no. 5; pp. 512 - 516
Main Authors 藤田, 桂史, 目黒, 琴生, 成島, 淨, 谷中, 清之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.10.1998
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.20.512

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Summary:くも膜下出血の原因として,脳動脈瘤,脳動静脈奇形,脳動脈硬化性疾患などがあげられるが,初回脳血管撮影で出血源が同定されないことがある.その際は繰り返し血管撮影を行う事で,出血源が明らかになる場合もあるが,結局原因不明に終わる場合も少なくない. 今回我々は,一旦は出血源不明のくも膜下出血と診断されたものの,長期経過観察中に再び出血し,DSAによって出血源が同定された2症例を経験した.DSAは加算処理により従来の血管撮影に比して血管病変が強調されるという特徴を有す.本稿ではくも膜下出血の原因検索,特に後頭蓋窩病変の検出におけるDSAの有用性に関して報告する.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.20.512