脳動脈瘤術後に新生した動脈瘤からクモ膜下出血をきたした3例

破裂脳動脈瘤の多くは, クリッピングによって完全に処置できれば再度クモ膜下出血を起こすことは稀である。我々は脳動脈瘤の手術後数年をへて, 初回手術時の脳血管撮影では認められなかった部位に, 破裂脳動脈瘤の新生をみた3例を経験した.3例全例にクリッピング術を行い新生脳動脈瘤が出血源であることを確認した.発生部位は2例が内頸動脈一後交通動脈分岐部, 他の1例が前交通動脈であった。最初の2例では高血圧が危険困子と考えられ, 他の1例では頸部の頸動脈閉塞術に伴う血行動態の変化が原因と思われた....

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Published in脳卒中 Vol. 16; no. 3; pp. 206 - 211
Main Authors 徳田, 佳生, 〓川, 哲二, 大林, 直彦, 加藤, 幸雄, 井口, 太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.06.1994
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.16.206

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Summary:破裂脳動脈瘤の多くは, クリッピングによって完全に処置できれば再度クモ膜下出血を起こすことは稀である。我々は脳動脈瘤の手術後数年をへて, 初回手術時の脳血管撮影では認められなかった部位に, 破裂脳動脈瘤の新生をみた3例を経験した.3例全例にクリッピング術を行い新生脳動脈瘤が出血源であることを確認した.発生部位は2例が内頸動脈一後交通動脈分岐部, 他の1例が前交通動脈であった。最初の2例では高血圧が危険困子と考えられ, 他の1例では頸部の頸動脈閉塞術に伴う血行動態の変化が原因と思われた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.16.206