成人ユスリカ喘息の1例
ユスリカが喘息発症に関与したと考えられる成人気管支喘息の1例を報告した. 症例は48歳女性. 6年前の春, 住居近くの河川にユスリカの異常発生があり, その後は, 春, 夏にかけてよく認められると言う. 5年前の6月頃喘鳴を初めて認めるようになり, その後毎年5, 6月頃に発作を起こしていた. 平成3年5月2日発作増悪のため入院. 入院後加療にて喘鳴発作は速やかに軽快した. 症状の安定したところでアレルギー学的検査を施行. RAST score ではユスリカ幼虫 (CTT) 4, ユスリカ成虫 (オオユスリカ) 3と陽性であった. またオオユスリカ抗原による皮内テストにては100万倍でも陽性所...
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 12; pp. 1591 - 1595 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.12.1993
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.31.1591 |
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Summary: | ユスリカが喘息発症に関与したと考えられる成人気管支喘息の1例を報告した. 症例は48歳女性. 6年前の春, 住居近くの河川にユスリカの異常発生があり, その後は, 春, 夏にかけてよく認められると言う. 5年前の6月頃喘鳴を初めて認めるようになり, その後毎年5, 6月頃に発作を起こしていた. 平成3年5月2日発作増悪のため入院. 入院後加療にて喘鳴発作は速やかに軽快した. 症状の安定したところでアレルギー学的検査を施行. RAST score ではユスリカ幼虫 (CTT) 4, ユスリカ成虫 (オオユスリカ) 3と陽性であった. またオオユスリカ抗原による皮内テストにては100万倍でも陽性所見を認め, しかも皮内テスト後より軽度の喘鳴発作が誘発された. 自宅近くに群飛していた虫は Chironomus nippodorsalis と同定された. ユスリカは成人気管支喘息においても吸入性抗原になりうることが示された. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.31.1591 |