摂食・嚥下指導を再考する〉重篤な摂食・嚥下障害をもつ成人への援助

本論文では,重篤な摂食・嚥下障害をもつ患者に対する援助について,実践例を提示し詳細に述べた.今回の症例では重度な障害にもかかわらず,一定の訓練効果を得ることができた.その要因として,我々医療スタッフの諦めない医療実践があったことと,患者本人自身の食べる営みによって,生きる意欲をひき出したことがあったと思われた.このように,ヒトが人として生きていくために「口から食べること」がどれだけ重要な意味をもつかということを再考しながら,STとしての役割と摂食・嚥下障害患者への援助の具体的方法等について私見を述べた.また,摂食・嚥下障害のリハビリテーションにおける「チームアプローチ」のあり方とSTの「プロフ...

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Published in聴能言語学研究 Vol. 17; no. 1; pp. 23 - 27
Main Author 岡本, 功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本コミュニケーション障害学会 30.04.2000
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ISSN0912-8204
1884-7056
DOI10.11219/jjcomdis1983.17.23

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Summary:本論文では,重篤な摂食・嚥下障害をもつ患者に対する援助について,実践例を提示し詳細に述べた.今回の症例では重度な障害にもかかわらず,一定の訓練効果を得ることができた.その要因として,我々医療スタッフの諦めない医療実践があったことと,患者本人自身の食べる営みによって,生きる意欲をひき出したことがあったと思われた.このように,ヒトが人として生きていくために「口から食べること」がどれだけ重要な意味をもつかということを再考しながら,STとしての役割と摂食・嚥下障害患者への援助の具体的方法等について私見を述べた.また,摂食・嚥下障害のリハビリテーションにおける「チームアプローチ」のあり方とSTの「プロフェッショナルとしての倫理」に関する2つの提言を行った.
ISSN:0912-8204
1884-7056
DOI:10.11219/jjcomdis1983.17.23