三尖弁輪-下大静脈峡部ブロックの存在下に, 通常型心房粗動に極めて酷似する心電図波形を呈した時計方向僧帽弁旋回性心房粗動の1例
《Abstract》66歳, 男性. 62歳時に12誘導心電図上, II, III, aVFに陰性鋸歯状波, V1で四肢誘導の陽性波に一致した時相に陽性波, V6で四肢誘導の陰性波に一致した時相で陰性波を認める頻拍(210ms/285bpm)が持続しており, 電気生理学検査(EPS)を行った. 持続性通常型心房粗動(common AFL)と診断し得たため, 三尖弁輪-下大静脈峡部(CTI)のカテーテルアブレーションを施行し, 頻拍は停止した(1stセッション). 65歳時に12誘導心電図上, II, III, aVFに陰性鋸歯状波, V1で陽性波, V6で陰性波を認め, common AFLを...
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Published in | 心臓 Vol. 55; no. 12; pp. 1160 - 1167 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団・日本循環器学会
15.12.2023
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ISSN | 0586-4488 |
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Summary: | 《Abstract》66歳, 男性. 62歳時に12誘導心電図上, II, III, aVFに陰性鋸歯状波, V1で四肢誘導の陽性波に一致した時相に陽性波, V6で四肢誘導の陰性波に一致した時相で陰性波を認める頻拍(210ms/285bpm)が持続しており, 電気生理学検査(EPS)を行った. 持続性通常型心房粗動(common AFL)と診断し得たため, 三尖弁輪-下大静脈峡部(CTI)のカテーテルアブレーションを施行し, 頻拍は停止した(1stセッション). 65歳時に12誘導心電図上, II, III, aVFに陰性鋸歯状波, V1で陽性波, V6で陰性波を認め, common AFLを疑う心房頻拍(180ms/333bpm)が持続しており, 心房頻拍疑いに対してカテーテルアブレーションを施行した(2ndセッション). 2ndセッションでは, 1stセッション時のcommon AFLに比べ, 周期(CL)は短縮しているため, 心房粗動の再燃ではなく, CTIブロック下の心房頻拍を疑った. 左房後壁でのPost pacing interval(PPI)はCL+100msと延長を認めており, 僧帽弁輪周囲でのPPIは頻拍周期と一致した. 時計方向僧帽弁旋回性心房粗動(CW peri-mitral flutter)と診断し, 3DマッピングCARTOによるPentaray電極での左房内アクティベーションマッピングでもCW peri-mitral flutterを示唆した. 洞調律下に左肺静脈隔離術, 左房後壁+右肺静脈一括隔離術を行った. 左房前壁に低電位領域を認めており, 僧帽弁輪-右上肺静脈間にブロックラインを作成した. 今回, CTIブロック下に, 以前に存在したcommon AFLに極めて酷似する鋸歯状波を示すCW peri-mitral flutterの1例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 |