眼症状で発見された0期サルコイドーシス患者におけるBAL検査の有用性

眼所見でサルコイドーシス(以下サ症)が疑われる肺臨床病期0期の患者において, 病理組織学的に確定診断を行う事は困難である. 今回, 我々はHRCTを用いた肺内病変の有無を評価し, 0期サ症における諸検査と, BAL検査の有用性を比較した. 0期サ症と考えられた症例では, TBLBでは全例で肉芽腫を認めず, 血清ACE, リゾチーム, γ-グロブリン, ツ反検査が陰性を示した. しかし, 4/7症例でBALFリンパ球が, 3/7症例でCD4/CD8比が上昇していた. HRCTでは検出できない肺病変の存在が示唆され, BAL検査は0期サ症の肺内病変を把握するうえで有用であると考えられた....

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Published in気管支学 Vol. 19; no. 5; p. 435
Main Authors 平松久弥子, 高橋卓夫, 阿部信二, 本橋典久, 金子泰之, 榎本達治, 安藤真弘, 日比野俊, 村田朗, 吾妻安良太, 高崎雄司, 工藤翔二, 大原國俊, 持丸博, 福田悠, 川並汪一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.07.1997
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ISSN0287-2137

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Summary:眼所見でサルコイドーシス(以下サ症)が疑われる肺臨床病期0期の患者において, 病理組織学的に確定診断を行う事は困難である. 今回, 我々はHRCTを用いた肺内病変の有無を評価し, 0期サ症における諸検査と, BAL検査の有用性を比較した. 0期サ症と考えられた症例では, TBLBでは全例で肉芽腫を認めず, 血清ACE, リゾチーム, γ-グロブリン, ツ反検査が陰性を示した. しかし, 4/7症例でBALFリンパ球が, 3/7症例でCD4/CD8比が上昇していた. HRCTでは検出できない肺病変の存在が示唆され, BAL検査は0期サ症の肺内病変を把握するうえで有用であると考えられた.
ISSN:0287-2137