血液透析療法における肝炎の防止と対策

透析療法における肝炎は, 患者にとっても, また医療従事者にとっても大きな問題である. 古くは1969年から70年にかけての英国エジンバラにおけるoutbreakなど患者, 医療従事者に多数の死亡例を出した場合があり, 最近の統計でも内外における透析療法に関係した肝炎は減少していない. 人工透析研究会の全国調査では1974年に透析患者の内11.5%に肝炎の発症を見ており, 更に1975年前半のみで透析患者の内2.15%, 医療従事者の0.77%が発症している. 又EDTAの, ヨーロッパにおける肝炎の集計では, 1974年中に全センターの69.5%が少くとも1例以上の肝炎を報告しており, 新規...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 25; no. 3/4; pp. 88 - 91
Main Authors 小高通夫, 嶋田俊恒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1979
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Summary:透析療法における肝炎は, 患者にとっても, また医療従事者にとっても大きな問題である. 古くは1969年から70年にかけての英国エジンバラにおけるoutbreakなど患者, 医療従事者に多数の死亡例を出した場合があり, 最近の統計でも内外における透析療法に関係した肝炎は減少していない. 人工透析研究会の全国調査では1974年に透析患者の内11.5%に肝炎の発症を見ており, 更に1975年前半のみで透析患者の内2.15%, 医療従事者の0.77%が発症している. 又EDTAの, ヨーロッパにおける肝炎の集計では, 1974年中に全センターの69.5%が少くとも1例以上の肝炎を報告しており, 新規発生例は病院透析の9.8%, 家庭透析の3.2%, 移植例の1.6%に見られ, 前年からの症例を加えると全患者の23.6%が肝炎に感染している.
ISSN:0546-1448