心臓手術における成分輸血の検討

成分製剤の開発により新鮮凍結血漿の需要は急激に増加しているが赤血球濃厚液の利用は極めて少ないのが現状である. そこで我々は赤血球濃厚液(PRC), を積極的に使用することとし, 42例の開心術症例に対し体外循環から術後迄, 成分輸血のみで手術を行い従来のACD全血による方法とその成績について比較検討した. 対象は体重20kg以下の無血充填では体外循環がやり難い症例でACD全血群と成分輸血群とに分け夫々を体外循環40分以内と体外循環(ECC)40分以上の群に分けて比較した. 術後出血, 赤血球寿命, CPK, LDHについては差を認めなかったが, 術後出血量については, 成分群で凍結血漿量が少く...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 27; no. 1; p. 67
Main Author 信岡亘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1981
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

More Information
Summary:成分製剤の開発により新鮮凍結血漿の需要は急激に増加しているが赤血球濃厚液の利用は極めて少ないのが現状である. そこで我々は赤血球濃厚液(PRC), を積極的に使用することとし, 42例の開心術症例に対し体外循環から術後迄, 成分輸血のみで手術を行い従来のACD全血による方法とその成績について比較検討した. 対象は体重20kg以下の無血充填では体外循環がやり難い症例でACD全血群と成分輸血群とに分け夫々を体外循環40分以内と体外循環(ECC)40分以上の群に分けて比較した. 術後出血, 赤血球寿命, CPK, LDHについては差を認めなかったが, 術後出血量については, 成分群で凍結血漿量が少くて済んだにも拘らず, 出血量に差を認めなかったことが注目に値する. 更に血液製剤の使用量について比較して見ると次の図に示す如く, 明かに成分群に於てECC時間に関係なく血漿量の使用が節減することの出来る事が分った.
ISSN:0546-1448