神経成長因子とグリア細胞由来神経栄養因子の協働作用, 脳由来神経栄養因子 (BDNF) と痛み

「はじめに」 筆者らは, 本誌に数回にわたって神経成長因子(NGF)およびグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)の痛みとのかかわりについて紹介してきた. 今回はまず, その受容体が異なる脊髄神経節(DRG)細胞群に発現していると報告されているNGFとGDNFが, 筋機械痛覚過敏誘発において協働的に働いていることを紹介し, その基盤となる両者の受容体(TrkAとGFRα1)のDRG細胞における共発現を紹介する. さらにニューロトロフィンの1つに数えられる脳由来神経栄養因子(BDNF)の産生, 受容体, 炎症や神経損傷などの病態における痛みや運動誘発性鎮痛における役割について紹介する. なお本稿は...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 38; no. 1; pp. 11 - 19
Main Authors 水村和枝, 久保亜抄子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 31.03.2023
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Summary:「はじめに」 筆者らは, 本誌に数回にわたって神経成長因子(NGF)およびグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)の痛みとのかかわりについて紹介してきた. 今回はまず, その受容体が異なる脊髄神経節(DRG)細胞群に発現していると報告されているNGFとGDNFが, 筋機械痛覚過敏誘発において協働的に働いていることを紹介し, その基盤となる両者の受容体(TrkAとGFRα1)のDRG細胞における共発現を紹介する. さらにニューロトロフィンの1つに数えられる脳由来神経栄養因子(BDNF)の産生, 受容体, 炎症や神経損傷などの病態における痛みや運動誘発性鎮痛における役割について紹介する. なお本稿は筆者らの英文総説を土台に, 新しい知見を付け加えて執筆したものである. 「NGFとGDNFの協働作用-TrkAとGFR/RETの共発現」 筆者らのグループは最近, NGFとGDNFが協働作用を示すことを見出した.
ISSN:0915-8588