掌蹠膿疱症に合併した膝関節炎の一症例

【目的】掌蹠膿疱症では約10～30%に骨関節病変が合併するとの報告があるが, 膝関節は稀である. 掌蹠膿疱症膝関節炎と診断した一例を経験したので報告する. 【症例】64才の女性. 2年前掌蹠膿疱症と診断. その頃より右膝痛出現. 近医での保存的加療, ステロイド関注に抵抗あり当科紹介. 右膝内側に圧痛と, 腫脹, 熱感, 水腫を認め, 可動域は-15°～105°と制限されていた. レントゲンでは内側関節裂隙の狭小化を認めた. MRIでは内側半月板後角横断裂を疑い, 内側軟骨下骨髄内信号変化を認め, 外側谷付近では虫食い像的な髄内信号変化を認めた. 血液検査では異常を認めなかった. 鏡視下手術施...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 4; p. 802
Main Authors 楊昌憲, 細川哲, 崎村陸, 弓削英彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2011
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Summary:【目的】掌蹠膿疱症では約10～30%に骨関節病変が合併するとの報告があるが, 膝関節は稀である. 掌蹠膿疱症膝関節炎と診断した一例を経験したので報告する. 【症例】64才の女性. 2年前掌蹠膿疱症と診断. その頃より右膝痛出現. 近医での保存的加療, ステロイド関注に抵抗あり当科紹介. 右膝内側に圧痛と, 腫脹, 熱感, 水腫を認め, 可動域は-15°～105°と制限されていた. レントゲンでは内側関節裂隙の狭小化を認めた. MRIでは内側半月板後角横断裂を疑い, 内側軟骨下骨髄内信号変化を認め, 外側谷付近では虫食い像的な髄内信号変化を認めた. 血液検査では異常を認めなかった. 鏡視下手術施行, 関節内に黄白色で粘性のある関節液があり, ブドウ房状の滑膜炎を認めた. 内側に軟骨下骨露出及び半月板後角横断裂を認めた. 外側関節軟骨は保たれていたが, 全体的に黄色がかっていた. 半月板切除及び滑膜切除術施行. 病理ではリンパ球やヘモジデリン沈着を伴った, 絨毛性滑膜を認めた. 術後早期より疼痛, 腫脹軽減し, 鏡視下手術は有用であった. 【考察】この度鏡視下手術が有用であったがまだ短期であり, 今後病状進行あれば人工関節置換術がよいと考えている.
ISSN:0037-1033