セルロースアセテート膜電気泳動法によるγ分画のモード的易動度の病態解析

「はじめに」昨年の本学会の総会において, 我々はセルロースアセテート膜電気泳動法によるγ分面のモード的易動度(M. Mobility)の年令別推移について健康人の0才から80才代まで求め報告した. それによると, 瞬帯血のM. Mobilityは1.61で高く, 出生後2-3ケ月で下降し, 4-6ケ月で上昇し, 新生児の免疫グロブリンの産生能に由来した変動が認められた. 20才代から50才代のM. Mobilityは1.55-1.56を推移し70才代で上昇し80才代で1.56±0.04(mean±SD)に下降する変動が認められた. また, 同時に免疫グロブリンのIgG, IgA, IgMの年令...

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Published in生物物理化学 Vol. 37; no. 2; p. 93
Main Authors 広瀬美子, 山岸安子, 伊藤喜久, 河合忠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 01.04.1993
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ISSN0031-9082

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Summary:「はじめに」昨年の本学会の総会において, 我々はセルロースアセテート膜電気泳動法によるγ分面のモード的易動度(M. Mobility)の年令別推移について健康人の0才から80才代まで求め報告した. それによると, 瞬帯血のM. Mobilityは1.61で高く, 出生後2-3ケ月で下降し, 4-6ケ月で上昇し, 新生児の免疫グロブリンの産生能に由来した変動が認められた. 20才代から50才代のM. Mobilityは1.55-1.56を推移し70才代で上昇し80才代で1.56±0.04(mean±SD)に下降する変動が認められた. また, 同時に免疫グロブリンのIgG, IgA, IgMの年令別推移を比較し, M. Mobilityの変動はIgG, IgAおよびIgMの構成比を反映した変動とおもわれた. このような健康人のM. Mobilityの変動から, 健康成人の20才から60才代の統計を標準としてmean±3SDを越えた異常のM. Mobilityを示す場合にはどのような疾患があるか病態解析を行い若干の知見が得られたので報告する. 材料および方法 1)セルロースアセテート膜(セ. ア瑛)Separax-SP膜(富士フィルム社) 2)セ. ア膜電気泳動法 自動電気泳動装置(AES-600;オリンパス)pH8.6, μ=0.06ベロナール緩衝液を用い, 0.6mA/cmにて型のごとく電気泳動を行った.
ISSN:0031-9082