LCI観察によるH.pylori未感染者の体部全周性発赤と腹部症状との関連
「要旨」:【目的】近年Linked Color Imaging(LCI)観察においてH.pylori未感染者の胃体部に全周性の発赤所見を認める症例を経験している. 今回この体部全周性発赤所見について, 腹部症状との関連を検討することを目的とした. 【方法】2017年4月から2019年12月までに, 患者背景・H.pylori感染状況・出雲スケール・FSSG問診票・LCI観察を施行したH.pylori未感染者を対象とした. 出雲スケールの胸やけ, 胃痛・もたれ, 便秘, 下痢症状の合計をそれぞれGERD, FD, 便秘, 下痢スコアとし, 発赤(+)群・(-)群と腹部症状との関連について後方視的...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 98; no. 1; pp. 24 - 28 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本消化器内視鏡学会関東支部会
30.06.2021
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ISSN | 1348-9844 |
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Summary: | 「要旨」:【目的】近年Linked Color Imaging(LCI)観察においてH.pylori未感染者の胃体部に全周性の発赤所見を認める症例を経験している. 今回この体部全周性発赤所見について, 腹部症状との関連を検討することを目的とした. 【方法】2017年4月から2019年12月までに, 患者背景・H.pylori感染状況・出雲スケール・FSSG問診票・LCI観察を施行したH.pylori未感染者を対象とした. 出雲スケールの胸やけ, 胃痛・もたれ, 便秘, 下痢症状の合計をそれぞれGERD, FD, 便秘, 下痢スコアとし, 発赤(+)群・(-)群と腹部症状との関連について後方視的に検討した. 【結果】対象は168例(男/女 63/105, 65歳以上/未満:102/66), 発赤(+)群は21例(12.5%)であった. 発赤(+)群と発赤(-)群ではGERDスコア;1.4±1.7 vs 1.3±1.9(p=0.72), FDスコア;3.5±4.3 vs 2.1±3.0(p=0.04), 便秘スコア;1.4±2.1 vs 1.7±2.4(p=0.53), 下痢スコア;1.0±1.4 vs 1.1±1.9(p=0.77), FSSG;7.8±7.6 vs 4.3±5.6(p<0.001)であった. 【結論】H.pylori未感染者においてLCI観察による体部全周性発赤所見はFD症状など一部の腹部症状と関連する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1348-9844 |