非溶血性輸血副作用症例の病態解析
「目的」 非溶血性輸血副作用に関する原因解明と対策は急務な課題である. 昨年度本学会で患者血清, 原因製剤のヒスタミン量, 肥満細胞より放出されるトリプターゼ活性(TP), ヒスタミン分解酵素であるヒスタミンN-メチルトランスフェレース活性(HMT)を測定し製剤中のヒスタミン量と副作用の関係及びHMTを認めた一症例について報告した. 今回, さらにIgE量と感度を上げた改良TP測定法により検討を加え病態の解析を行った. 「材料・方法」 当施設に1999年4月-2000年8月に非溶血性輸血副作用の報告があり, 原因製剤もしくは患者血清が入手可能であった32例を対象とした(原因製剤19, 患者血清...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 2; p. 257 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.04.2001
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 「目的」 非溶血性輸血副作用に関する原因解明と対策は急務な課題である. 昨年度本学会で患者血清, 原因製剤のヒスタミン量, 肥満細胞より放出されるトリプターゼ活性(TP), ヒスタミン分解酵素であるヒスタミンN-メチルトランスフェレース活性(HMT)を測定し製剤中のヒスタミン量と副作用の関係及びHMTを認めた一症例について報告した. 今回, さらにIgE量と感度を上げた改良TP測定法により検討を加え病態の解析を行った. 「材料・方法」 当施設に1999年4月-2000年8月に非溶血性輸血副作用の報告があり, 原因製剤もしくは患者血清が入手可能であった32例を対象とした(原因製剤19, 患者血清30). 蕁麻疹等のみの軽症17, 加えて血圧低下, ショック等を伴った重症11, 発熱悪寒4例で, 内4例に抗HLA抗体, 抗血小板抗体等が認められた. 原因製剤はPC14, FFP5, MAP13例であった. ヒスタミン量, IgE量はELISAキット, TP活性は合成基質を用いた自家測定系, HMT活性はN-メチルヒスタミンの生成により判定した. |
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ISSN: | 0546-1448 |