(II-6-13)歯学部4年生に対する摂食・嚥下障害のスクリーニング法に関する基礎実習教育

【目的】高齢社会を迎え, 歯科医療においても摂食・嚥下障害患者と遭遇する機会が多くなり, 歯科大学の教育現場では摂食・嚥下障害に対応できる歯科医師の養成が望まれている. 昭和大学歯学部口腔リハビリテーション科では, 平成17年度から歯学部4年生を対象として摂食・嚥下障害のスクリーニング法の基礎実習を開始した. 今回われわれは, 実習内容を紹介するとともに実習に対する学生の意識について報告する. 【方法】本基礎実習は嚥下関与器官の知覚・運動検査, 喉頭挙上度検査, 反復唾液嚥下検査, 改訂水のみ検査, フードテスト, 頸部聴診法について意義, 方法, 判定法を習得する目的で行われた. 実習時間は...

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Published in日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 10; no. 3; p. 421
Main Authors 高橋浩二, 綾野理加, 宇山理紗, 平野薫, 山下夕香里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 31.12.2006
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Summary:【目的】高齢社会を迎え, 歯科医療においても摂食・嚥下障害患者と遭遇する機会が多くなり, 歯科大学の教育現場では摂食・嚥下障害に対応できる歯科医師の養成が望まれている. 昭和大学歯学部口腔リハビリテーション科では, 平成17年度から歯学部4年生を対象として摂食・嚥下障害のスクリーニング法の基礎実習を開始した. 今回われわれは, 実習内容を紹介するとともに実習に対する学生の意識について報告する. 【方法】本基礎実習は嚥下関与器官の知覚・運動検査, 喉頭挙上度検査, 反復唾液嚥下検査, 改訂水のみ検査, フードテスト, 頸部聴診法について意義, 方法, 判定法を習得する目的で行われた. 実習時間は3時間で, 実習終了後に無記名アンケート調査を実施した. なお, 前もって実習書などを予習するように伝え, 実習にあたってはビデオ供覧ならびに指導者によるデモを示した後, 2人1組で実習課題を行わせた. 【アンケート調査結果】1. 本基礎実習は将来役立つと回答した学生は92%であった. 2. 指導者の説明はわかりやすかったと回答した学生は78%であった. 3. 指導者は説明に対し適切に解答したと答えた学生は80%であった. 4. 予習したと回答した学生は98%であったが, 予習時間については全員1時間未満で, 予習の題材は実習書のみが約90%であった. また予習は効果的であると回答した学生は35%で, 学生の予習不足が浮き彫りにされた. 5. 興味が持てた実習項目は, 頸部聴診法51%, フードテスト41%, 反復唾液嚥下検査21%の順であった. また各検査項目の実習時間配分については丁度良いが79%~90%であった. 【結論】摂食・嚥下障害のスクリーニング法基礎実習は9割以上の学生が将来役立つと回答した. 今後の課題として学生の予習不足への対策が最重要と思われ, 合わせて実習書ならびに指導法についても改善する必要があると思われた.
ISSN:1343-8441