脊椎術後硬膜外血腫の治療経験

(目的)脊椎術後硬膜外血腫による麻痺が出現した2症例に対し文献的考察を加え報告する. (症例1)56歳女性, 既往に急性進行性糸球体腎炎がありステロイド, 免疫抑制剤, 抗血小板を内服していた. 第一腰椎骨粗鬆性脊椎骨折術後遅発性麻痺に対し除圧固定術を施行. 術後血圧不安定で術後2日目に両下肢のしびれ, 筋力の低下を認めた. 血腫除去後, 知覚, 筋力ともに改善した. (症例2)75歳女性, 既往歴に高血圧があり降圧剤の内服をしていた. 腰部脊柱管狭窄症に対し開窓術を施行. 術後創痛の訴え強く術後11時間後に右下肢の激痛と右下肢優位の筋力低下を認めた. 血腫除去後, 知覚, 筋力ともに改善した...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 2; p. 468
Main Authors 佐々木伸一, 森下雄一郎, 檜田伸一, 内藤正俊, 喜多村泰輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2004
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ISSN0037-1033

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Summary:(目的)脊椎術後硬膜外血腫による麻痺が出現した2症例に対し文献的考察を加え報告する. (症例1)56歳女性, 既往に急性進行性糸球体腎炎がありステロイド, 免疫抑制剤, 抗血小板を内服していた. 第一腰椎骨粗鬆性脊椎骨折術後遅発性麻痺に対し除圧固定術を施行. 術後血圧不安定で術後2日目に両下肢のしびれ, 筋力の低下を認めた. 血腫除去後, 知覚, 筋力ともに改善した. (症例2)75歳女性, 既往歴に高血圧があり降圧剤の内服をしていた. 腰部脊柱管狭窄症に対し開窓術を施行. 術後創痛の訴え強く術後11時間後に右下肢の激痛と右下肢優位の筋力低下を認めた. 血腫除去後, 知覚, 筋力ともに改善した. (結論)術後早期に血腫除去術を行い良好な結果をえた. 既往歴に合わせた術後管理と鎮痛管理が必要と考えられた.
ISSN:0037-1033