インスリン抵抗性との関連が考えられるアキレス腱骨化症の3例

「はじめに」 アキレス腱骨化症の成因についてはいくつかの説があるが定説は無い. 最近, 3例の本症を経験したが3例ともインスリン抵抗性との関連が考えられた. 成因についての説の一つに加えられると考えたので報告する. 「症例」症例1:50歳, 男性 主訴:左アキレス腱部痛 現病歴:1998年11月15日, ソフトボール試合中に受傷した. 当日, 当科受診. 既往歴:1984年頃, 右アキレス腱を断裂し他院外科にて手術を受けた. 1989年頃, 右アキレス腱を再度断裂し整形外科医院で縫合手術を受けた. この時, 腱断裂部に何か固い物があり, 取り除いたとのことであるが詳細は不明である. 家族歴:特...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 3; pp. 777 - 781
Main Authors 山田正幸, 山口善久, 堀内英彦, 松本一成, 関根一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2000
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」 アキレス腱骨化症の成因についてはいくつかの説があるが定説は無い. 最近, 3例の本症を経験したが3例ともインスリン抵抗性との関連が考えられた. 成因についての説の一つに加えられると考えたので報告する. 「症例」症例1:50歳, 男性 主訴:左アキレス腱部痛 現病歴:1998年11月15日, ソフトボール試合中に受傷した. 当日, 当科受診. 既往歴:1984年頃, 右アキレス腱を断裂し他院外科にて手術を受けた. 1989年頃, 右アキレス腱を再度断裂し整形外科医院で縫合手術を受けた. この時, 腱断裂部に何か固い物があり, 取り除いたとのことであるが詳細は不明である. 家族歴:特記すべきことなし 現症:身長182cm, 体重100kgと肥満体である. 手術前の血液検査では, 異常を認めなかった. エックス線写真所見:アキレス腱部に骨片様のものが2個見られた. 踵骨後方隆起部の骨棘も認めた. (図1) 手術所見:アキレス腱断裂部の近位断端全体が2ケの骨片で占められていた.
ISSN:0037-1033