肺癌が疑われた気管支炎症性ポリープの2例

症例1は85歳, 男性で既往歴として3年5ヵ月前に左S^3 aの末梢型肺腺癌(P-T_1 N_0 M_0 )で, 左肺上葉切除術が施行され, 当センター外来にて経過観察中であり, 3年前に気管支鏡検査(BFと略す)にて気管中央部及左主幹入口部に小ポリープを認めたが, TBACでは悪性細胞を認めず, 経過観察とした1年5ヵ月前のBFにて同部のポリープの増大を認め, 肺腺癌の気管支内転移も疑ったが悪性細胞はみられず, 炎症性と診断した. 症例2は56歳, 男性で, 肺癌検診の喀痰細胞診でE判定を受け, 当センターで受診した. 胸部X線上では異常影は認められず, BFにて左B^5 bに白色の隆起性病...

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Published in気管支学 Vol. 18; no. 7; p. 728
Main Authors 深井祐治, 岡本真一郎, 干場博, 蔵野良一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.11.1996
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Summary:症例1は85歳, 男性で既往歴として3年5ヵ月前に左S^3 aの末梢型肺腺癌(P-T_1 N_0 M_0 )で, 左肺上葉切除術が施行され, 当センター外来にて経過観察中であり, 3年前に気管支鏡検査(BFと略す)にて気管中央部及左主幹入口部に小ポリープを認めたが, TBACでは悪性細胞を認めず, 経過観察とした1年5ヵ月前のBFにて同部のポリープの増大を認め, 肺腺癌の気管支内転移も疑ったが悪性細胞はみられず, 炎症性と診断した. 症例2は56歳, 男性で, 肺癌検診の喀痰細胞診でE判定を受け, 当センターで受診した. 胸部X線上では異常影は認められず, BFにて左B^5 bに白色の隆起性病変が認められ, 肺癌を疑ったが, 生検結果は悪性細胞はみられず, 現在も定期的に経過観察中であるが変化なく, 炎症性と考えられた.
ISSN:0287-2137