内科的, 外科的加療でコントロールできたclarithromycin耐性のMycobacterium intracellulareによる胸膜炎, 皮下膿瘍の1例

要旨:症例は77歳男性. 入院12年前にMycobacterium intracellulareを起炎菌とした肺Mycobacterium avium complex(MAC)症と診断した. clarithromycin(CAM), rifampicin, ethambutol(EB)で化学療法を施行していたが, CAM耐性であることが判明, 副作用により治療を中止した. 入院1カ月前に肺MAC症による続発性気胸に対し胸腔ドレーンを留置した. 気胸の制御ができたため退院したが, 右胸水貯留を認め, 皮下膿瘍が形成されたため再入院となった. M. intracellulareによる胸膜炎, 皮下...

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Published in結核 Vol. 97; no. 3; pp. 195 - 200
Main Authors 嶋田有里, 平林亮介, 甲貴文, 川端智也, 黒田浩一, 高橋豊, 片岡和哉, 富井啓介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 15.05.2022
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ISSN0022-9776

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Summary:要旨:症例は77歳男性. 入院12年前にMycobacterium intracellulareを起炎菌とした肺Mycobacterium avium complex(MAC)症と診断した. clarithromycin(CAM), rifampicin, ethambutol(EB)で化学療法を施行していたが, CAM耐性であることが判明, 副作用により治療を中止した. 入院1カ月前に肺MAC症による続発性気胸に対し胸腔ドレーンを留置した. 気胸の制御ができたため退院したが, 右胸水貯留を認め, 皮下膿瘍が形成されたため再入院となった. M. intracellulareによる胸膜炎, 皮下膿瘍と診断, isoniazid(INH), EB, streptomycin(SM), moxifloxacin(MFLX)で化学療法を行った. 創処置および胸腔内洗浄を併用して加療を継続, 入院141日目に自宅退院した. CAM耐性MAC症による胸膜炎および皮下膿瘍に対し, INH, EB, SM, MFLXの4剤併用レジメンが有用である可能性が示唆された.
ISSN:0022-9776