神奈川歯科大学附属病院におけるオーラルクロマを利用した口臭症に関する検討

「緒言」 日本口臭学会ガイドライン策定委員会によると, 口臭症とは, 生理的・器質的(身体的)・精神的な原因により口臭に対して不安を感じる症状である, と定義している. 口臭の有無を評価するには, 数値を使用した客観的な評価が重要である. 悪臭成分の代表とされているのは, 揮発性硫黄化合物(VSC)である硫化水素, メチルメルカプタン, ジメチルサルファイドであるが, その濃度測定において, ランニングコストや測定機器設置スペースの面から, 現在はオーラルクロマ(NISSHAエフアイエス)が広く利用されている. オーラルクロマは, これら3種類のVSC濃度を測定する口臭測定器である. しかし,...

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Published in神奈川歯学 Vol. 59; no. 1; pp. 28 - 33
Main Authors 椎谷亨, 向井義晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.2024
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」 日本口臭学会ガイドライン策定委員会によると, 口臭症とは, 生理的・器質的(身体的)・精神的な原因により口臭に対して不安を感じる症状である, と定義している. 口臭の有無を評価するには, 数値を使用した客観的な評価が重要である. 悪臭成分の代表とされているのは, 揮発性硫黄化合物(VSC)である硫化水素, メチルメルカプタン, ジメチルサルファイドであるが, その濃度測定において, ランニングコストや測定機器設置スペースの面から, 現在はオーラルクロマ(NISSHAエフアイエス)が広く利用されている. オーラルクロマは, これら3種類のVSC濃度を測定する口臭測定器である. しかし, 測定されたこれら気体濃度同士の相関を臨床的に調べた研究や, 官能試験と気体濃度との関連性を統計学的に示した研究は見当たらない. 神奈川歯科大学附属病院では継続的に2019年4月から口臭測定を実施している. 2019年7月19日からは官能試験も加えた検査を行っており, 2021年2月13日において18症例に達した.
ISSN:0454-8302