リハビリテーション医学,医療のこれからの新しい視点-これまでの40年の学会活動をふり返って

第40回学会が眞野行生会長の下, 札幌で開催され, 40回の節目の記念講演として, これまでの40年の学会活動をふり返りながら, リハビリテーション(以下, リハ)医学, 医療のこれからの新しい視点について, 若干の私見を述べることにした. 本学会は, 1964(昭和39)年に創設されたが, 丁度この頃から先端技術の開発が進み, 情報化が一段と顕著になり, リハ医学, 医療の領域でも, 近代化に伴う飛躍的展開と著しい進歩がみられ, 大きく様変りした. 社会的には, 少子高齢化が急速に進展, 超高齢社会を迎え, 社会構造の一大変革がおこり, 疾病内容や対応にも顕著な変化が生じた. 21世紀の新し...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 41; no. 1; pp. 11 - 16
Main Author 祖父江逸郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.2004
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ISSN0034-351X

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Summary:第40回学会が眞野行生会長の下, 札幌で開催され, 40回の節目の記念講演として, これまでの40年の学会活動をふり返りながら, リハビリテーション(以下, リハ)医学, 医療のこれからの新しい視点について, 若干の私見を述べることにした. 本学会は, 1964(昭和39)年に創設されたが, 丁度この頃から先端技術の開発が進み, 情報化が一段と顕著になり, リハ医学, 医療の領域でも, 近代化に伴う飛躍的展開と著しい進歩がみられ, 大きく様変りした. 社会的には, 少子高齢化が急速に進展, 超高齢社会を迎え, 社会構造の一大変革がおこり, 疾病内容や対応にも顕著な変化が生じた. 21世紀の新しい時代を迎え, リハ医学, 医療の推進にも様々な問題が投げかけられている. したがって, 視点は多様であるが, とくに, リハ医学, 医療における高次脳機能の関与, 役割や高齢者リハのあり方などに焦点を合せながら, 二, 三の話題をとりあげることにした. 日本リハ医学会は1964年第1回(水野祥太郎会長)が開催されてから今回第40回(眞野行生会長)を迎え, この間40年の歳月が流れた. 40年間に社会情勢も著しく変化し, 医学, 医療の進歩もあり, リハ医学の内容にも大きな変遷がみられた. 会員数も第1回の頃は494名であったが, 2003年1月現在で9,369名と約20倍強となり, 各種発表演題も当初の69題から692題と10倍に膨れ上がっている. また1988年には東京で第16回RI, 1989年には神戸で第6回ISPO, 1997年には京都で第8回IRMAがそれぞれ開催され, グローバル時代に相応しく, 国際的な場での発展を遂げてきた.
ISSN:0034-351X