経頭蓋超音波カラードプラガイド下Matasテスト―頸動脈切除・再建術の適応決定
「I 緒言」 頭頸部領域において, 血管に関係して重要な問題の一つは, 頸動脈に転移リンパ節の浸潤があるか否かを診断し, 頸部郭清術の適応を決定することである. しかし, さらに一歩進めて, 従来頸部郭清術の適応外とされた進展例に対し, 症例によっては, 頸動脈を合併切除すれば, 治療成績の向上が期待されよう. この際, 頸動脈結紮後の脳虚血による合併症出現の可能性を術前に予知するため, 大脳動脈輪を介する側副血行を評価した上で, 血行再建術の適応を決定する必要がある. 側副血行を評価する検査法としては, 従来, 患側総頸動脈を用手的に圧迫し, 臨床症状出現の有無をみる方法(Matasテスト)...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 94; no. 9; pp. 1315 - 1391 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本耳鼻咽喉科学会
20.09.1991
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ISSN | 0030-6622 |
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Summary: | 「I 緒言」 頭頸部領域において, 血管に関係して重要な問題の一つは, 頸動脈に転移リンパ節の浸潤があるか否かを診断し, 頸部郭清術の適応を決定することである. しかし, さらに一歩進めて, 従来頸部郭清術の適応外とされた進展例に対し, 症例によっては, 頸動脈を合併切除すれば, 治療成績の向上が期待されよう. この際, 頸動脈結紮後の脳虚血による合併症出現の可能性を術前に予知するため, 大脳動脈輪を介する側副血行を評価した上で, 血行再建術の適応を決定する必要がある. 側副血行を評価する検査法としては, 従来, 患側総頸動脈を用手的に圧迫し, 臨床症状出現の有無をみる方法(Matasテスト)1), あるいは, 脳血管撮影, 脳血流シンチグラフィーすなわちsingle photon emission computed tomography(SPECT)2)3)4), 脳波, 内頸動脈圧測定5), ocular plethysmograph6), Balloon Matasテスト7)8)などがある. |
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ISSN: | 0030-6622 |