家族性大腸腺腫症(FAP)の3例

「和文要旨」家族性大腸腺腫症(Familial Adenomatous Polyposis:FAP)はほぼ100%に大腸癌が発生する. 治療は手術であるが, 時期および術式には分子遺伝学的検査に勝り, 大腸内視鏡所見が重要である. 大腸内視鏡によるFAP症例の近親者に対するスクリーニングと術後患者のフォローアップは予後の改善に大きく寄与していくものと考える. 今回我々が経験したFAP症例を文献的考察とともに報告する. 「はじめに」家族性大腸腺腫症(Familial Adenomatous Polyposis:FAP)は常染色体優性遺伝疾患であり, そのほぼ100%の症例に大腸癌を発症するため,...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 69; no. 2; pp. 94 - 96
Main Authors 吉野雅則, 水谷聡, 尾形昌男, 塙秀暁, 近藤恭司, 前島顕太郎, 松信哲朗, 小峯修, 坊英樹, 塩谷猛, 渡辺昌則, 徳永昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 05.12.2006
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Summary:「和文要旨」家族性大腸腺腫症(Familial Adenomatous Polyposis:FAP)はほぼ100%に大腸癌が発生する. 治療は手術であるが, 時期および術式には分子遺伝学的検査に勝り, 大腸内視鏡所見が重要である. 大腸内視鏡によるFAP症例の近親者に対するスクリーニングと術後患者のフォローアップは予後の改善に大きく寄与していくものと考える. 今回我々が経験したFAP症例を文献的考察とともに報告する. 「はじめに」家族性大腸腺腫症(Familial Adenomatous Polyposis:FAP)は常染色体優性遺伝疾患であり, そのほぼ100%の症例に大腸癌を発症するため, 手術治療が必要である. FAP家系のスクリーニング, および術式決定には大腸内視鏡が重要である. 今回我々の経験した3症例を報告する. 「症例」症例1 患者:23歳, 男性. 主訴:血便. 既往歴:6歳, 肝芽腫手術. 家族歴:特記すべきことなし.
ISSN:1348-9844