他国立新設大学医学部附属病院との対比における当大学の血液製剤の使用状況
平成5年度の第25回全国国立大学医学部附属病院輸血部会議は岐阜で開催され, これに先立ち前夜に第7回全国国立新設大学医学部附属病院輸血部懇談会が持たれた. 当大学はこの懇談会の当番校として議事の進行と資料の作成を行った. 新設医科大学15校の血液製剤使用状況のアンケート調査結果では, 福井医科大学は他の新設医科大学に比べて最も血小板製剤の使用単位数が多かった. しかしHLA適合血小板の使用率は最も少なく, 血小板輸血不応状態は発生しているものの臨床的には重篤な出血へ結びつく症例はそうは無いことを反映している. また, 赤血球製剤の中における白血球除去赤血球の使用率が2~3の大学で25%を上回る...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 41; no. 1; p. 97 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.03.1995
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 平成5年度の第25回全国国立大学医学部附属病院輸血部会議は岐阜で開催され, これに先立ち前夜に第7回全国国立新設大学医学部附属病院輸血部懇談会が持たれた. 当大学はこの懇談会の当番校として議事の進行と資料の作成を行った. 新設医科大学15校の血液製剤使用状況のアンケート調査結果では, 福井医科大学は他の新設医科大学に比べて最も血小板製剤の使用単位数が多かった. しかしHLA適合血小板の使用率は最も少なく, 血小板輸血不応状態は発生しているものの臨床的には重篤な出血へ結びつく症例はそうは無いことを反映している. また, 赤血球製剤の中における白血球除去赤血球の使用率が2~3の大学で25%を上回るところがあった, 当大学は白血球除去フィルターで同等の効果が得られると指導しているため2.5%にとどまっている. HLA適合血小板と白血球除去赤血球製剤の適応を本当に必要な症例に限ることは, 病院の出費の軽減と不使用血液製剤(いわゆる「破棄血」)の減少のためにも必要と考える. 自己血輸血の件数は新設国立大学の中で2番目に多く, 更に全血液製剤中にしめる血漿製剤の使用比率は最も低い等の特色が明らかになった. 当大学輸血部は, 過剰のオーダーその他の理由による「破棄血」の減少のための努力を積極的に行い, この1年間で従来の1/10以下に損失金額を減らすことに成功している. |
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ISSN: | 0546-1448 |