難治性吃逆患者8例の治療経験

「要旨」吃逆とは, 間代性で不随意な横隔膜の痙攣様収縮で, 吃逆が48時間または1~2カ月以上持続もしくは発作が再発するものは難治性吃逆と定義されている. 今回, 当科に紹介された難治性吃逆患者8例の治療を経験したので報告する. 横隔神経ブロックと薬物療法で対応して, 8例中, 吃逆が消失5例, 軽減1例, 不変2例であった. 横隔神経ブロックとバクロフェンは難治性吃逆の治療に有効であることが示唆された. 「I はじめに」吃逆とは, 声門閉鎖を伴う間代性で不随意な横隔膜の痙攣様収縮である. 反射弓として求心路が横隔神経, 迷走神経, 延髄呼吸中枢を経て遠心路が横隔神経, 効果器は横隔膜と推測さ...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 35 - 37
Main Authors 榎本澄江, 寺田哲, 木村理恵, 林映至, 新井丈郎, 奥田泰久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 25.02.2017
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Summary:「要旨」吃逆とは, 間代性で不随意な横隔膜の痙攣様収縮で, 吃逆が48時間または1~2カ月以上持続もしくは発作が再発するものは難治性吃逆と定義されている. 今回, 当科に紹介された難治性吃逆患者8例の治療を経験したので報告する. 横隔神経ブロックと薬物療法で対応して, 8例中, 吃逆が消失5例, 軽減1例, 不変2例であった. 横隔神経ブロックとバクロフェンは難治性吃逆の治療に有効であることが示唆された. 「I はじめに」吃逆とは, 声門閉鎖を伴う間代性で不随意な横隔膜の痙攣様収縮である. 反射弓として求心路が横隔神経, 迷走神経, 延髄呼吸中枢を経て遠心路が横隔神経, 効果器は横隔膜と推測されている. 明確な基準はないが, 吃逆が48時間または1~2カ月以上持続もしくは間歇的な発作が繰り返されるものは難治性吃逆と定義されている. 治療のプロトコールに横隔神経ブロック(phrenic nerve block:PNB)が含まれているのでペインクリニック外来に紹介されることがある.
ISSN:1340-4903