短期間に進行する僧帽弁瘤穿孔を呈した感染性心内膜炎の1例

症例は55歳, 女性. 平成13年12月より発熱が出現し, 近医で投薬を受けるも解熱せず微熱が続いていた. 平成14年2月12日右前頭葉皮質下出血が認められ, 近医に入院し2月21日血腫除去術が施行された. その後も微熱が続き, 心エコー図にて大動脈弁閉鎖不全, 僧帽弁閉鎖不全および僧帽弁前尖に肥厚所見が認められ再入院となった. 入院後の血液培養でα-Streptococcusが検出されたため, 5月16日精査加療目的で当院に入院となった. 血液培養から再度α-Streptococcusが検出されたため感染性心内膜炎と診断し, 抗生剤を投与した. その後, 心エコー図で僧帽弁前尖に弁瘤が認めら...

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Published in心臓 Vol. 36; no. 9; pp. 629 - 634
Main Authors 藤野紀之, 藤本進一郎, 久武真二, 高田美貴, 石田秀一, 山科昌平, 武藤浩, 中野元, 山崎純一, 川崎宗泰, 渡辺善則, 小山信彌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 丸善 15.09.2004
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Summary:症例は55歳, 女性. 平成13年12月より発熱が出現し, 近医で投薬を受けるも解熱せず微熱が続いていた. 平成14年2月12日右前頭葉皮質下出血が認められ, 近医に入院し2月21日血腫除去術が施行された. その後も微熱が続き, 心エコー図にて大動脈弁閉鎖不全, 僧帽弁閉鎖不全および僧帽弁前尖に肥厚所見が認められ再入院となった. 入院後の血液培養でα-Streptococcusが検出されたため, 5月16日精査加療目的で当院に入院となった. 血液培養から再度α-Streptococcusが検出されたため感染性心内膜炎と診断し, 抗生剤を投与した. その後, 心エコー図で僧帽弁前尖に弁瘤が認められたため僧帽弁および大動脈弁置換術を施行したが, 術中に施行した経食道心エコー図にて僧帽弁瘤の穿孔が確認された.
ISSN:0586-4488