人工膝関節置換術後早期における運動機能予測因子の検討―術前身体・精神機能と退院前運動機能との関係
「要旨」【目的】本研究では, 術前の身体・精神的機能が人工膝関節置換術後2週の運動機能にどう影響しているかを明らかにすることを目的として縦断的に調査を行った. 【方法】変形性膝関節症と診断され人工膝関節置換術が施行された38名(平均年齢75.0±6.1歳)を対象とし, 術前の身体・精神的機能および術後2週のTimed Up and Go test (TUG)を計測した. 交絡因子の影響を取り除くため, 得られたデータは重回帰モデルを用いて分析した. 【結果】術後2週の運動機能であるTUGを予測する因子として, 術前の安静時痛, 自己効力感, 交絡因子である非術側膝伸展可動域が抽出された. 【結...
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Published in | 理学療法学 Vol. 38; no. 6; pp. 442 - 448 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
20.10.2011
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Summary: | 「要旨」【目的】本研究では, 術前の身体・精神的機能が人工膝関節置換術後2週の運動機能にどう影響しているかを明らかにすることを目的として縦断的に調査を行った. 【方法】変形性膝関節症と診断され人工膝関節置換術が施行された38名(平均年齢75.0±6.1歳)を対象とし, 術前の身体・精神的機能および術後2週のTimed Up and Go test (TUG)を計測した. 交絡因子の影響を取り除くため, 得られたデータは重回帰モデルを用いて分析した. 【結果】術後2週の運動機能であるTUGを予測する因子として, 術前の安静時痛, 自己効力感, 交絡因子である非術側膝伸展可動域が抽出された. 【結論】術前の自己効力感, 安静時痛および非術側膝伸展可動域は, 術後早期の運動機能指標であるTUGの予測因子であることが示唆された. 「はじめに」変形性関節症に関する世界最大規模の疫学研究(Research on Osteoarthritis Against Disability: ROAD)プロジェクトにおいて, 我が国における変形性膝関節症(Osteoarthritis of the knee: 以下, 膝OA)の潜在的関節症推定患者数は, 男性840万人, 女性1,560万人の合計2,400万人とされ, 有症者に限っても820万人と推定されている1). |
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ISSN: | 0289-3770 |