脳性麻痺に対する尖足矯正術の成績

「はじめに」脳性麻痺の尖足変形に対するアキレス腱単独延長術の欠点を補う目的で, 私達は5年前より松尾の方法5)に準じて, 選択的後方解離術(以下SPR)及び症例によっては足底筋解離術引を併用して行ってきた. 今回その短期成績について報告する. 対象及び方法 対象は脳性麻痺21例32足, 男13例18足, 女8例14足であった. そのうち5例は, アキレス腱単独延長術後の再発に対する手術例であった. 病型分類は痙直型が19例で, そのうち片麻痺4例, 両麻痺9例, 四肢麻痺6例であった. その他, 痙直とアテトーゼの混合型が2例であった. 手術時年齢は4~39歳, 平均14.4歳で, 術後観察期...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 4; pp. 962 - 965
Main Authors 工藤啓久, 仲宗根聡, 親泊元信, 古堅隆司, 金谷文則, 茨木邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.1997
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」脳性麻痺の尖足変形に対するアキレス腱単独延長術の欠点を補う目的で, 私達は5年前より松尾の方法5)に準じて, 選択的後方解離術(以下SPR)及び症例によっては足底筋解離術引を併用して行ってきた. 今回その短期成績について報告する. 対象及び方法 対象は脳性麻痺21例32足, 男13例18足, 女8例14足であった. そのうち5例は, アキレス腱単独延長術後の再発に対する手術例であった. 病型分類は痙直型が19例で, そのうち片麻痺4例, 両麻痺9例, 四肢麻痺6例であった. その他, 痙直とアテトーゼの混合型が2例であった. 手術時年齢は4~39歳, 平均14.4歳で, 術後観察期間は9~60ヵ月, 平均32.5ヵ月であった. 手術方法はSPRを全症例に施行した. すなわち腓腹筋腱切離を尖足の程度に応じて1~3カ所行い, また長母趾屈筋腱, 長趾屈筋腱を内果後方でスライド延長し, 後脛骨筋及び長腓骨筋は筋間腱での分節延長(以下分節延長)を施行した. また足趾の屈筋緊張が強い14例24足で足底筋解離術として母趾内転筋, 短母趾屈筋, 短趾屈筋及び長趾屈筋腱を足底部で延長した.
ISSN:0037-1033