当科におけるスポーツ外傷手術症例の検討-特に前十字靱帯, 前距腓靱帯損傷を中心に
「はじめに」当科において平成5年8月より平成8年7月までにスポーツ外傷で手術を行った947例の中で, 前十字靱帯(以下ACL)と前距腓靱帯(以下ATF)損傷例の受傷機転と身体的特性について検討したので報告する. 対象 ACL損傷は415例(男性231例, 女性184例), 平均年齢は男性25.1才, 女性20.1才, 平均観察期間は2年4ヵ月であった. ATF損傷は226例(男性110例, 女性116例), 平均年齢は男性20.0才, 女性17.0才, 平均観察期間は1年2ヵ月であった. 対象はすべてスポーツ外傷で, 受傷種目は男性, 女性ともにバスケットが最も多かった(図1). 方法 ACL...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 3; pp. 634 - 638 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.1997
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「はじめに」当科において平成5年8月より平成8年7月までにスポーツ外傷で手術を行った947例の中で, 前十字靱帯(以下ACL)と前距腓靱帯(以下ATF)損傷例の受傷機転と身体的特性について検討したので報告する. 対象 ACL損傷は415例(男性231例, 女性184例), 平均年齢は男性25.1才, 女性20.1才, 平均観察期間は2年4ヵ月であった. ATF損傷は226例(男性110例, 女性116例), 平均年齢は男性20.0才, 女性17.0才, 平均観察期間は1年2ヵ月であった. 対象はすべてスポーツ外傷で, 受傷種目は男性, 女性ともにバスケットが最も多かった(図1). 方法 ACL損傷群では, 術後評価として, 前方引き出しテスト(以下ADT), Lachmanテスト, Nテスト, KT-2000による患健側差の測定を行った. 身体的特性の検討のため受傷機転および東大式関節弛緩性テスト7項目(以下Laxity score)を調べ, 単純レントゲン撮影で脛骨高原後傾角とnotch width index(以下NWI)を測定した. 脛骨高原後傾角は膝関節レントゲン側面像における脛骨前縁の延長線上に立てた垂線と脛骨膝関節面とのなす角で(図2A), NWIは顆間窩撮影の画像で内外顆の幅aと顆間窩幅bを計測し, bをaで除した値を用いた(図2B). |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 |