膵癌術後の肝外門脈閉塞による小腸静脈瘤をEISで止血した1例
「1. はじめに」食道, 胃以外に形成される静脈瘤, 異所性静脈瘤は頻度が低く, 特に小腸静脈瘤は異所性静脈瘤の内の約6.3%と非常に稀な疾患である. 治療法は内視鏡治療やinterventional radiology (IVR) などが挙げられるが, 確立された治療アルゴリズムはない. 今回は小腸静脈瘤に対して内視鏡的静脈瘤硬化療法 (endoscopic injection sclerotherapy : EIS) を施行し止血し得た1例を経験したので文献的考察を含めて報告する. 「2. 症例」患者 : 71歳, 女性 主訴 : 体動困難 既往歴 : 肺結核 嗜好歴 : 飲酒 なし, 喫...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 105; no. 1; pp. 79 - 81 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本消化器内視鏡学会関東支部会
13.12.2024
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ISSN | 1348-9844 |
Cover
Summary: | 「1. はじめに」食道, 胃以外に形成される静脈瘤, 異所性静脈瘤は頻度が低く, 特に小腸静脈瘤は異所性静脈瘤の内の約6.3%と非常に稀な疾患である. 治療法は内視鏡治療やinterventional radiology (IVR) などが挙げられるが, 確立された治療アルゴリズムはない. 今回は小腸静脈瘤に対して内視鏡的静脈瘤硬化療法 (endoscopic injection sclerotherapy : EIS) を施行し止血し得た1例を経験したので文献的考察を含めて報告する. 「2. 症例」患者 : 71歳, 女性 主訴 : 体動困難 既往歴 : 肺結核 嗜好歴 : 飲酒 なし, 喫煙 なし 現病歴 : 20XX-7年8月に食思不振を主訴に当院消化器外科を受診し, 膵頭部癌と診断された. 同年9月に幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行され, 再発所見などなく経過していたが, 20XX-1年9月のCT検査で残存膵に腫瘤を指摘され, 術後再発と診断された. |
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ISSN: | 1348-9844 |