心房早期刺激により長いreturn cycleを示した6例の検討

心房早期刺激によるreturn cycleが著明に延長した6例を報告する. 5例は重症のSSS例, 1例は潜在性洞不全を伴う完全房室ブロック例であった. 1例での硫酸atropine前後および3例での硫酸atropine投与後に通常のreturn cycle長+洞周期長のreturn cycleが認められ, 進出ブロックによると考えられた. 2例は通常のreturn cycle長と通常の長さ+洞周期長のreturn cycleとが混在し, 進出ブロックあるいは洞結節自動能低下のためと考えられた. 1例は硫酸atropine前のreturn cycleに規則性が全くなく洞周期長の数倍のretur...

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Published in心臓 Vol. 27; no. 4; pp. 320 - 325
Main Authors 土岡由紀子, 森島信行, 大倉義文, 唐川眞二, 向井順子, 永田健二, 山形東吾, 松浦秀夫, 梶山梧朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 丸善 01.04.1995
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ISSN0586-4488

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Summary:心房早期刺激によるreturn cycleが著明に延長した6例を報告する. 5例は重症のSSS例, 1例は潜在性洞不全を伴う完全房室ブロック例であった. 1例での硫酸atropine前後および3例での硫酸atropine投与後に通常のreturn cycle長+洞周期長のreturn cycleが認められ, 進出ブロックによると考えられた. 2例は通常のreturn cycle長と通常の長さ+洞周期長のreturn cycleとが混在し, 進出ブロックあるいは洞結節自動能低下のためと考えられた. 1例は硫酸atropine前のreturn cycleに規則性が全くなく洞周期長の数倍のreturn cycleもあった. これは洞結節自動能低下に加えて進出ブロックも加わったため著しいreturn cycleの延長をきたしたと考えられ, 単一の心房早期刺激でも著しい洞結節自動能抑制を起こし得ることが示唆された.
ISSN:0586-4488